今や採用市場で、「新卒」を凌駕しつつある第二新卒。
人気企業も続々と、採用に乗り出している。
どんな人材なら採用し、どういう人はお断りなのか。
まずは、人気企業69社の人事部の回答を――。
(AERA編集部・片桐圭子)
「新卒の採用は、もうやめることにしました」
そう話す人事担当者に出会った。東京駅前の話題の新名所「新丸ビル」や、吉永小百合さんが「液晶の理想郷」とCMするシャープの亀山工場をはじめ、多くのビルや工場、美術館などで使われる業務用加湿器を作るメーカーで、国内シェアの50%を誇る。ここ数年は業績もよく、人手が足りないのに、どうしても新卒が採れないのだ。
就職情報会社に400万円も支払ったのに、一人の学生も採用できなかったばかりか、会社訪問もゼロだったという年もある。
■潜在人口は400万人
会社の名前は、ウエットマスター(本社・東京)。人事本部長を務める増野和弘さんは言う。
「最終消費財を作っていないので、一般の知名度が低い。社名を知っている企業にしか就職しようとしない新卒をメジャー企業と同じように採ろうとしても、採れないということがよくわかりました」
新卒の代わりに採用のターゲットとしたのが、「第二新卒」だった。
第二新卒ってどういう人?という疑問には、もう少し後で答えるとして、ウエットマスターは人材紹介会社に委託して、この2年半で既に8人を採用した。企業のニーズの高まりに応えるかたちで、第二新卒の人材紹介や転職支援を扱う会社は増え続け、第二新卒を専門に扱う会社も登場している。
新卒の場合、「400万円払ってゼロ」がありうるが、人材紹介会社を通じた第二新卒採用なら支払うのは成功報酬。一人あたり70万円とも言われるが、ムダがない。
いま、多くの企業の採用担当者が、増野さんと同様に第二新卒に注目している。
第二新卒とは、最大公約数的に言うなら「大学を卒業後3年以内で、就職活動をしている人」のこと。おおむね25歳前後で、入社してすぐに会社を辞めた人や司法試験を目指したが挫折した人から、就職活動に失敗してフリーターになった人まで、卒業後の経歴はさまざまだ。転職情報誌「B−ing」が91年11月発売の誌面で使った造語だが、これまでは、「せっかく就職したのに辛抱が足りなくて辞めた若者」的な、ネガティブイメージで語られてきた。
しかし、長く続いた不況とそれにともなう就職氷河期で、能力の問題ではなく物理的に採用人数が少なかったために、望んだ職を得られなかった20代が大量に出現した。第二新卒専用サイト「Re就活」を運営する学情の鈴木直人さんによれば、フリーターや非正規社員、転職希望者をすべて含めた「潜在的第二新卒」の数は400万人にものぼる。
■新卒上回る求人倍率
一方の企業は、景気の回復と団塊世代の大量退職で、人手不足に悩みはじめた。新卒も、キャリアを重ねた中途もどんどん採用したい。長く採用を絞ってきたためにいびつになった社員の年齢構成も正したい。それなのに、新卒も中途ももはや完全な売り手市場で、必要な人材を十分に確保することが難しい。結果、
「新卒、中途に続く第3の採用市場として、若くて、数がいて、ダイヤの原石が眠っている可能性もある第二新卒が、活気づいているんです」(鈴木さん)
第二新卒の就職を支援するブラッシュアップ・ジャパンの社長で『それでも就職したいあなたに』の著書もある秋庭洋さんによれば、ウエットマスターのように、新卒はもう採らないという企業も出現し始めている。
「内定から入社まで時間がかかるうえ、辞退のリスクまで背負わなければならない新卒採用は、いまのビジネスのスピードや考え方にあわない。第二新卒なら、来月から人を増やしたい、この秋からのプロジェクトに間に合わせたい、というニーズにも応えられます」
実際、リクルートエージェントに求職者として登録している人のうち、第二新卒は07年4月現在で6441人。一方、企業から彼らへの求人は1万4295人。求人倍率2・22は、バブル期を上回り過去最高を更新した新卒(08年3月卒業予定者)の求人倍率2・14を上回る。
採用する側としては新卒と同様に「可能性」にかけるしかない第二新卒。企業は彼らに何を期待し、彼らの何を見て、採用、不採用を決めているのか。
■納得できる理由で逆転
アエラでは、就職ランキングで人気の高い企業にアンケートを送付し、(1)第二新卒に対する採用意欲、採用予定(2)面接で採用意欲を駆り立てられた応募者(3)逆に、採用したくないと判断した応募者(4)新卒との比較で第二新卒のどこに期待するか、などについて聞いた。
リクルート「就職ブランド調査2007」と毎日コミュニケーションズ「2007年度大学生就職人気企業ランキング」を基に抽出した117社に送付。69社から得た回答を表やグラフにまとめたが、総じて言えるのは、企業がすべてのことに、「納得できる理由」を求めているということだ。
フリーターより資格試験挫折者や海外留学者、待遇に不満で辞めた人より仕事内容に違和感を抱いた「ミスマッチ」で辞めた人のほうを採用したい企業が多い。でも、「なぜフリーターになったのか」「なぜ待遇に不満だったのか」を明確に説明し、採用担当者を納得させることができれば、彼らは即座に「採用したい第二新卒」に昇格できる。
そもそも企業にとっては、一度他社を辞めた人物を採用すること自体がリスクだ。
社会全体が個人情報におおらかだった時代には、A社を辞めてB社に入ろうとする人のA社での評判を、B社の人事担当者が直接電話で尋ねるようなこともあったという。しかし、いまとなってはそれは禁じ手。面接で、自分の価値を少しでも高く見せようとする求職者たちの「化けの皮」は、面接ではがすしかない。
ソニー生命保険は、数年前から第二新卒を意識した採用を始め、現在は毎月2回、彼らだけを対象に説明会を開いて、年に20人前後を採用している。人事部人事課統括課長の田部井大作さんは、面接では「退職理由が、ソニー生命で再現され得るかどうか」の見極めを大切にしていると話す。
■単純作業はどこにでも
例えば、「単純作業ばかりやらされた。そんなことのために入社したんじゃない」という理由で退職したと説明された場合は、高い確率でNG。他の多くの企業と同様に、ソニー生命の中にも、単純作業の多い部署はある。
「上司と合わなかった」というのも多い理由の一つだが、この場合はNGの判断を下してしまう前に、合わないと感じてから辞めるまで、その上司とどう相対したのかを尋ねる。そこに面接官が共感できれば、問題は上司の側にある可能性が高いからだ。
「資産運用を極めたい」などとあまりにはっきりと「やりたいこと」を決めてくる人にも、その理由を徹底的に聞くという。以前勤めていた会社で資産運用をやっていた経験を生かしたい、が答えなら、
「せいぜい1、2年でしょう? 弊社は職種別採用をしているわけではありません。入社後は、誰にでも異動があって、資産運用にかかわれないこともありますから」
■1人90分の面接
もちろん、「何でもやります」という答えにも突っ込む。答えも、それに対する判断も様々だが、
「自分は未熟で、中途として買ってもらえる経験もない。自分のやりたいことすら、はっきりしていません。でも、保険会社のビジネスには、意味を感じている。だから、何でもやりながら、自分にできること、やりたいことを探していきたい」
のように答えた人はいま、ソニー生命で働いているという。
具体的な話が多くなる分、一人ひとりに対する面接時間は長い。ソニー生命では1時間半。06年度中の採用活動で新卒とほぼ同じ50人ほどの第二新卒を採用したローソンも、新卒の15分に対し、第二新卒の面接時間は倍の30分だ。
氷河期当時は新卒の採用を担当していたマネジャーの井上孝さんが、いまは第二新卒を含む中途採用の担当者。ローソンで働く第二新卒の中には、大学生のときにも新卒募集にエントリーしたが敗退した、という経験を持つ人もいる。
新卒という最大の就職チャンスで失敗を経験した人たちの中にも、育てがいのある人はいるというのが、井上さんの実感だ。ただ、二極化が進んでいると感じる場面も増えた。
井上さんは言う。
「第二新卒というグループの存在が広く認知されるにつれて、その身分に乗っかってしまう人が目につくようになりました」
■身分得たわけじゃない
つまり、名前が付いたことで、第二新卒という身分を得たような気分になり、自分の立場を客観視できていないのではないか――。
10月1日入社の新入社員として継続的に第二新卒を採用しているエイチ・アイ・エスでも、まったく同じ話を聞いた。
営業人事課係長代理の長島一徳さんによれば、4月1日入社の新卒と10月1日入社の第二新卒との間に、評価や仕事内容の差は一切設けていない。違うのは、第二新卒の場合、最初は契約社員だということくらい。所定のステップを踏めば正社員という含みで双方納得しているのだが、「半年後れを取ったが新卒には負けたくない」という思いを強く持つ第二新卒に期待することも多いという。
ただ、面接の場で「おかけください」と言われる前に座ってしまったり、志望理由に「いま募集してる企業を検索したら出てきたので」、入社してからやってみたいことは?という質問に「勉強不足でわかりません」と答えてしまったりする人が、少なからずいる。
■面接というより商談
社会人としてのマナーくらいは、新卒よりも「上」でなければならないはずなのに。長島さんは、
「とにかく就職活動で負け続けてきたのかもしれませんね。そういう人には、門戸は開かれているから落ち着いて、と言いたい」
と寛容だが、だからといってそんな人たちを採用しているわけではない。毎日コミュニケーションズ企画開発課長の後藤守秀さんは言う。
「第二新卒を採用する企業は増えていますが、ストライクゾーンが広がっているわけではない。1回目の失敗を大目に見てくれているだけなんです」
今年からは、たとえ短期間でも企業に正社員として勤めた経験のある人だけを「第二新卒」とし、フリーターや留学帰り、資格試験挫折者などは単なる「既卒」として区別しようという動きもある。企業にとって、第二新卒を採用する最大のメリットは「新入社員教育の一部を省ける」。これを生かせる人材だけを、第二新卒としようという流れだ。勤務経験がなければ、卒業後1年までしか応募を受け付けない企業も出てきた。
後藤さんによれば、第二新卒の採用における面接は、
「面接というよりむしろ、商談」
社会に出た経験を態度で示し、新卒とは違う自分を売り込む場だ。
配属される部署の具体名も挙がるし、給与の話にもなる。「年収300万円でいい」と答えれば、本当にそうなるし、内定を得て「行きます」と返事をした時点で契約は成立。企業は受け入れ準備を始めるから、新卒のような安易な内定辞退がルール違反だということは、常識なのだ。
最後に、管理部門に特化した人材紹介を業とする日本MSセンターが、自社で採用する第二新卒の「選考基準」の話を。人材開発室マネージャーの佐藤智彦さんによれば、ここ数年は毎年、5人前後の第二新卒を受け入れている。
会計士という目標をあきらめて入社した女性の場合、自分がなれなかった会計士をこれから目指す人の就職を支援したいというのが、日本MSセンターの門をたたいた動機だった。弁護士志望から転じた男性の場合は、司法試験のための勉強を続けるうちに、社会の弁護士に対するニーズと自分が学んでいることの間にギャップを感じた。いま、日本MSセンターで、法科大学院生たちの就職を支援する新ビジネスを企画中だ。
佐藤さんは言う。
「自分のことしか言わない人と、そうじゃない人がいることに気がつきました」
自分の話に終始することが悪いとは言わない。でも、自分のためだけにがんばったり勝負したりできる人って、どれくらいいるのか。
「自分ががんばって、周りをどうしたいか。周りを巻き込んだほうがきっとがんばれるし、そういう視点は新卒よりも第二新卒のほうが、持ちやすいですよね」
●こんな発言やこんな人にはがっかり
・現職場や転職先について、ステップアップの手段のような言い方をする人。弊社への執着が感じられない人<大手電機メーカー>
・「やりたいことが見つからなくて、就活していなかった」 そもそも、自分がやりたいと思う仕事に実際に就ける人はまれ。就業意欲が低いと感じた<レオパレス21>
・志望理由や転職理由を聞く中で、百貨店の仕事内容や販売業務よりも、福利厚生や働きやすさへの関心が強いと感じたとき<高島屋>
・「今いる会社にあきた」「なんとなく転職したい」「言われたことは何でもするからとにかく入社させて欲しい」 こんな言葉には、主体性が感じられない<大手自動車部品メーカー>
・「私が思っている仕事内容ではなかった」「自分を高められる仕事ではなかった」「もっと人のためになる仕事をしたい」 退職を自らの責任だと考えていないように感じるし、積極性も見いだせない。こういう人に期待はもちにくい<凸版印刷>
・前職を誹謗・中傷するような発言<大手金融サービス会社>
・経験談をいくら尋ねても具体的な話にならない。転職の目的が明確でないことが透けて見えてしまう<AIGエジソン生命保険>
・「自分のやりたい仕事ではなかった」 そのときそのときに自分に与えられた責任を果たせない人は、どこにいっても同じだと思うから<カネボウ化粧品>
・「条件のいいところがあれば転職したい」「御社は勝ち組だから応募した」「勤務地がよいから応募した」「ソニー製品が好きだから応募した」 決して勝ち組だと思っていないし、ソニーのイメージだけで応募しているように感じるから<ソニー生命保険>
・前職の文化・風土に強く影響されていて、変わろうとする意志がない。また当事者意識に欠ける他責な姿勢が感じられるエピソードや発言<リンクアンドモチベーション>
・3カ月しか勤務していないのに、すべての業務を習得したように話したり、自分の長所として「忍耐力」を挙げたりする<ローソン>
・上司の指示があるまで動かないなど、仕事に対して受け身であるという印象を受ける発言<AIU保険会社>
●こんな発言やこんな人にはぐっと来る
・「営業成績がよかったのに、待遇や給与に差がつかなかった」 こういう気持ちが弊社の社風に合っている。営業は「稼ぎたい」という気持ちがないと成績を伸ばせない。実際、弊社で成績を上げている営業マンには、こういうハングリーな気持ちを持っている人が多い<レオパレス21>
・「私は転職活動をしていますが、現職場をとても愛しています」 真剣に働けば働くほど、職場や仲間に対する思いが強くなるはず。転職を決意するにはいろいろ事情があったと思いますが、この発言からは、まじめに働いていたことが窺えた<大手保険会社>
・「何でもやる」「お客様のために尽くしたい」「企業理念に惹かれた」 当社のお客様への姿勢や業務内容を理解した上でこう言われると、グッとくる<ソニー生命保険>
・最初に入社した会社とのミスマッチの原因を、しっかりと分析できている<ローソン>
・自ら課題を発見し、率先して行動した具体的な例を話してくれるケース。また、金融業界以外の出身でも、自ら進んで新しい知識、スキル、経験を身につけようという意欲に満ち溢れた言葉<AIU保険会社>
・弊社の事業テーマである「モチベーション」を大切だと思った原体験をしっかり語れることは不可欠<リンクアンドモチベーション>
・「今までの会社は知名度も低く、お客様に提案する機会さえ与えられなかった」「凸版であれば貪欲に提案していける。自分の力を充分発揮できそうだ」 ハングリー精神が旺盛で、エネルギーに満ちている人だと感じたし、悔しさをこらえて頑張っていたことがわかるから<凸版印刷>
・「やっぱり自分はいつまでもお客様に近い現場で働いていたい」 管理系の仕事・業務に携わっていた人が熱く話した言葉。経験を通してたどりついた考えだということが伝わってきた<高島屋>
・何らかの仕事に取り組んだ経歴をいきいきと説明してくれる人<AIGエジソン生命保険>
●第二新卒、ここ期待します
見方
<企業名>
06年 第二新卒採用経験の有無または06年度中に採用した第二新卒の人数
07年 07年度中の第二新卒採用予定の有無または採用予定数
第二新卒は新卒とどこが違うか
*
第二新卒への期待やメッセージ
※「−」は回答なし
<アイシン精機>
06年 無
07年 無
新卒のほうが就職について、問題意識をもって活動している人が多い
*
−
<朝日新聞社>
06年 有
07年 有
大きな違いはない
*
自分の将来を見据え、やりたいことを見極めてください。好奇心旺盛で行動力のある方をお待ちしています
<エイチ・アイ・エス>
06年 47
07年 検討中
採用時期の違いにより給与等の条件面に差を設けているが、それ以外で新卒とは区別していない
*
求める要素や入社後の評価や仕事の内容も、ほとんど差はありません。「第二新卒」ということでネガティブに感じている方は、前向きにトライしてほしい
<AIGエジソン生命保険>
06年 24
07年 約30
社会人として厳しい環境のもとでの職業経験がある。本人が転職後の会社で働くイメージを持ちやすいし、会社としてもその人の「仕事力」を把握しやすい
*
仕事経験を強みにし、かといってそれにこだわらず、チャレンジ精神を発揮してほしい。新たなキャリアを切り拓くことを期待します
<AIU保険会社>
06年 10
07年 検討中
すでに基本的なビジネススキル、マナーなどは習得しており、即戦力になる
*
働くことを通じて皆さんが成長し、その結果として会社も成長する。そんなWin−Winの関係を一緒に築き上げていきたい。若い方の夢やビジョンが会社の組織風土に新しい心地よい風を吹き込む瞬間を期待しています
<大手食品メーカー>
06年 無
07年 検討中
第二新卒の売りは「経験」「基礎的スキル」。新卒の売りは「新鮮さ」「素直さ」「柔軟性」
*
大半が新卒で就職を目指す近年において第二新卒の道を選ぶ際は、中途半端な気持ちで判断したり、妥協したりせず、相当の覚悟をすることをすすめます。企業は必ず、第二新卒という道を選んだ理由を求めますから
<大手化粧品メーカー>
06年 2
07年 検討中
1度就職した経験を持ちながら、再度組織で働きたいという意向の持ち主なので、組織の中での自分の活かし方、組織に貢献するという感覚を持っている
*
会社にいた期間に関係なく、キャリアとして何か身につけていることを期待します。若い人には可能性という魅力がある。「第二新卒」というグルーピングにはまりすぎず、社会経験のある大人としてがんばってほしい
<カネボウ化粧品>
06年 有
07年 検討中
過去の自分の不足点を見つめ直し「仕事観」を確立している点。仕事をしてお金を稼ぐことに対する自覚があり、厳しさも知っている
*
就業経験を通じて、以前の自分とは違う自分を確立していると思います。その確立された中身の差が、そのまま個人差になると思います
<サントリー>
06年 有
07年 検討中
社会人経験の有無
*
それぞれの人にそれぞれの持ち味と個性がある。新しい可能性に向け、挑戦しようという気概に期待します
<シャープ>
06年 無
07年 検討中
新卒のように企業をイメージだけでとらえるのではなく、現場の状況を知っている
*
現場を経験したことで培われた、周囲とのコミュニケーション能力や協調性に期待します
<大手運輸会社>
06年 無
07年 無
思考にほぼ差異はない
*
社会人としての基礎力を養い「何のために生きるか」「何のために仕事をするのか」を自問自答しながら目標を定め、経験を重ねて、精一杯がんばってもらいたい
<ソニー>
06年 有
07年 有
−
*
求人領域の専門性を持ち、弊社とのマッチングが取れたうえで、社会人経験を活かして即戦力として活躍できる方がいれば採用します。またソニーで何かを実現したいという強い思いをお持ちであることも考慮に入れています。応募を待っています
<ソニー生命保険>
06年 21
07年 有
理想だけでなく現実を知っているところ
*
現実の社会人生活や仕事の厳しさを少しでも知っている第二新卒は、過去の経験を踏まえて地に足の着いた仕事をしてくれそう。経験を積んだ上で弊社を選んでくれたという点で、会社への忠誠心も新卒以上に期待しています
<損害保険ジャパン>
06年 4
07年 未定
「新卒」は若く、多くの経験をつむことができ、ロイヤリティーが高い。一方「第二新卒」は就業経験があるため、しっかりとした就業観を持っている
*
第二新卒には経験や知識は問いません。高いポテンシャルを期待します
<大手保険会社>
06年 約20
07年 約10
就業経験がある第二新卒は、新卒・生え抜きの刺激になる
*
短い就業経験でも、職場を愛する気持ちを持ってほしい
<大日本印刷>
06年 有
07年 有(選考基準をクリアすれば)
社会人経験や、学生では得がたい経験をしている
*
−
<大和証券グループ本社>
06年 有
07年 無
働くということに対する固定観念、社会人としてのカラーの有無
*
−
<大手医薬品メーカー>
06年 有
07年 無
社会人としての基本行動を習得できている
*
新しい仕事で充分にポテンシャルを発揮してほしい
<高島屋>
06年 4
07年 1
就職観・仕事観が明確であること。応募者にはバラつきもあるが、社会人経験で一皮むけて、明確なビジョンを持っている人を採用している
*
社会人経験、仕事を通じてどれだけ成長したか、自分の仕事観をどれだけ確立できたか。そこをクリアにした上で自分にあった仕事があれば、転職を考えるのもよいと思う
<大手建設会社>
06年 有
07年 検討中
人生経験が豊富
*
大学卒業後に得た豊富な経験を、社会や企業で活用できるよう頑張ってほしい
<大手自動車部品メーカー>
06年 10
07年 検討中
社会人経験が短いなりに、将来の目標や就業意識が明確になっている
*
進路や職場を変わろうとする際には、目的意識をもって、しっかり考えて判断してください
<大手テレビ局>
06年 無
07年 無
特になし
*
新卒に期待することと同じです
<東京海上日動火災保険>
06年 57
07年 有
一旦社会に出て働いたことで、会社選びの軸がしっかりしている
*
新卒での就職後、社会経験を経て再就職ということで、人間的に成長するとともに、多様な発想や価値観などで、周囲によい影響を与えることを期待
<東京電力>
06年 2
07年 無
特になし
*
新卒との差別化が図れるよう、これまでのキャリアを前向きに評価して、自分の強みを活かしてほしい
<大手電機メーカー>
06年 −
07年 −
働いた経験があるので、社会人としての基礎ができている。また、自分が何に向いているか理解している
*
−
<凸版印刷>
06年 20
07年 100
社会の洗礼を浴びているか。仕事が思いどおりにいかない事を身体で理解したか
*
新卒時に世間がわからないまま会社を選び、そこで社会の厳しさや自分のちっぽけさに気づいた人と、じっくりこれからの人生について語りあいたい
<大手広告会社>
06年 4
07年 未定
社会人を経験することによって得た「経験の幅」
*
業界問わず、いままで得てきた知識を活かし、いろいろな人を巻き込みながら社内・社外に新しい価値を生み出してほしい
<電通>
06年 有
07年 有
−
*
当社では「第二新卒」「新卒」の区別なく採用しています。受験資格に該当する場合、「新卒」の枠で採用試験を受けていただけます
<大手食品メーカー>
06年 無
07年 無
社会人としての作法の有無。育成のしやすさ、しにくさ
*
−
<船井総合研究所>
06年 2
07年 1
就業経験の有無
*
自分が一度は進む道を間違ったことを素直に認め、これまでの時間を取り戻すため、新卒以上に努力をしてほしい
<ウエディング関連会社>
06年 無
07年 検討中
採用していないのでお答えできないが、第二新卒というマーケットには注目している
*
中途としてのスキルは求めませんが、新卒と変わらず、真っ白な状態、素直な気持ちで入社してきてくれることを期待しています
<本田技研工業>
06年 有
07年 有
1年だろうと5年だろうと社会経験がある
*
新卒の時にも、何か求めたものや、働くことに対する思いはあったでしょう。新たなチャレンジをするのだから、スキルや考え方は確実に、新卒よりも上であるべきだと思っています
<みずほフィナンシャルグループ>
06年 有
07年 有
主にはビジネスマナーなど、社会人としての基礎になる経験をしている
*
既存概念に囚われない、新しい発想に期待しています
<三井物産>
06年 5
07年 5〜6
第二新卒は、短いとはいえ社会人経験があり、企業で働くということがどういうことか現実を理解している
*
企業イメージやブランドではなく、自分に合った会社を見つけて、自らの思いを実現しようとする姿勢に期待しています
<三菱電機>
06年 30程度
07年 検討中
弊社は、他社での勤務経験があれば「第二新卒」とみなしますが、既卒者・既卒修了者でも他社での勤務経験がなければ「新卒」としている
*
様々な人たちと協力しながら、問題を解決していく力に期待しています
<三菱UFJ信託銀行>
06年 29
07年 約30
就業経験や、資格取得のための勉強の経験があること
*
現状を打破しようとする行動力とバイタリティを、新天地となる職場において最大限発揮してほしい
<リンクアンドモチベーション>
06年 正社員3・契約5
07年 検討中
前職にて弊社以外のマネジメントを受けた経験があること
*
スタートが早い新卒入社組に早く追いつき、追い越す気概を持ってがんばってほしい
<レオパレス21>
06年 有
07年 有
就業意欲の高さ
*
弊社では、卒業後1年以内の場合のみ「第二新卒」として扱う。1年以上経過している場合は、何らかのキャリアがなければ採用しません。1年なんてすぐに過ぎてしまいますから、無駄に過ごしてはいけません
<ローソン>
06年 有
07年 検討中
社会経験がある点
*
ミスマッチは致しかたないことなので、新たなるステージで活躍してほしい
●採用状況
2006年度まで
採用している 27社
過去に採用 10
採用していない 28
把握していない/回答なし 4
2007年度
採用する 21社
採用を検討中 16
採用しない 25
未定/回答なし 7
●こんな第二新卒なら…
◆…採用したい
◇…採用したくない
*
海外留学して戻ってきた ◆17社 ◇ 4社
資格試験を目指して勉強していたが、民間企業に転じた ◆15 ◇ 2
フリーターをしていた ◆ 3 ◇17
派遣あるいは契約社員だった ◆ 7 ◇ 4
就職したが待遇に不満だった ◆ 7 ◇13
仕事内容が思っていたのと違った ◆17 ◇ 3
より希望に近い会社に入り直したい ◆22 ◇ 2
[複数回答]
●第2新卒のための面接突破の極意5カ条
(1)ウソはつかない
新卒の面接は2〜4回で、グループ面接も多い。一方、第二新卒は1〜2回で、基本的に1対1。従って、1人にかける面接時間は長く、自分をいくら飾っても矛盾をつかれて「粉飾」がばれる
(2)時系列で答えない
「大学卒業後、何をしていたのか」という問いにも、時系列なら職務経歴書を見れば済む。「営業マンとして働いていました。営業成績は中くらいでしたが、○△の工夫の結果、上位に。△○を改善すれば、さらに成績を上げられる」とプロセスを語ろう
(3)志望理由、転職理由の前に「なりたい自分」を語るべし
「将来はこうなりたい」をまず語る。その後の組み立ては、「その自分に少しでも近づくべく努力した」→「でも、現状では近づくことが難しい」→「そのために、転職したい」→「御社なら、こういう理由でなりたい自分に近づける」とすればいい
(4)転職理由は、ネガティブで始まりポジティブで終われ
ネガティブな理由を隠すと、ウソっぽくなる。「とにかく忙しすぎて、体力が持たない。もう少し時間に余裕ができれば、プレゼンのための企画を練ることもできる」のように、ネガティブで始まってポジティブで終わるのが鉄則
(5)給与はいくら欲しい?の答えは「現状維持」で
面接での発言は、契約事項。「300万円で十分です」などというと、その通りの額を提示されることがある。「いまは450万円ほどなので、それと変わらないくらいは欲しい」が無難だ
*
リクルートエージェント主催「第二新卒はじめての転職講座」での講演内容などから、AERA編集部が作成
人気企業も続々と、採用に乗り出している。
どんな人材なら採用し、どういう人はお断りなのか。
まずは、人気企業69社の人事部の回答を――。
(AERA編集部・片桐圭子)
「新卒の採用は、もうやめることにしました」
そう話す人事担当者に出会った。東京駅前の話題の新名所「新丸ビル」や、吉永小百合さんが「液晶の理想郷」とCMするシャープの亀山工場をはじめ、多くのビルや工場、美術館などで使われる業務用加湿器を作るメーカーで、国内シェアの50%を誇る。ここ数年は業績もよく、人手が足りないのに、どうしても新卒が採れないのだ。
就職情報会社に400万円も支払ったのに、一人の学生も採用できなかったばかりか、会社訪問もゼロだったという年もある。
■潜在人口は400万人
会社の名前は、ウエットマスター(本社・東京)。人事本部長を務める増野和弘さんは言う。
「最終消費財を作っていないので、一般の知名度が低い。社名を知っている企業にしか就職しようとしない新卒をメジャー企業と同じように採ろうとしても、採れないということがよくわかりました」
新卒の代わりに採用のターゲットとしたのが、「第二新卒」だった。
第二新卒ってどういう人?という疑問には、もう少し後で答えるとして、ウエットマスターは人材紹介会社に委託して、この2年半で既に8人を採用した。企業のニーズの高まりに応えるかたちで、第二新卒の人材紹介や転職支援を扱う会社は増え続け、第二新卒を専門に扱う会社も登場している。
新卒の場合、「400万円払ってゼロ」がありうるが、人材紹介会社を通じた第二新卒採用なら支払うのは成功報酬。一人あたり70万円とも言われるが、ムダがない。
いま、多くの企業の採用担当者が、増野さんと同様に第二新卒に注目している。
第二新卒とは、最大公約数的に言うなら「大学を卒業後3年以内で、就職活動をしている人」のこと。おおむね25歳前後で、入社してすぐに会社を辞めた人や司法試験を目指したが挫折した人から、就職活動に失敗してフリーターになった人まで、卒業後の経歴はさまざまだ。転職情報誌「B−ing」が91年11月発売の誌面で使った造語だが、これまでは、「せっかく就職したのに辛抱が足りなくて辞めた若者」的な、ネガティブイメージで語られてきた。
しかし、長く続いた不況とそれにともなう就職氷河期で、能力の問題ではなく物理的に採用人数が少なかったために、望んだ職を得られなかった20代が大量に出現した。第二新卒専用サイト「Re就活」を運営する学情の鈴木直人さんによれば、フリーターや非正規社員、転職希望者をすべて含めた「潜在的第二新卒」の数は400万人にものぼる。
■新卒上回る求人倍率
一方の企業は、景気の回復と団塊世代の大量退職で、人手不足に悩みはじめた。新卒も、キャリアを重ねた中途もどんどん採用したい。長く採用を絞ってきたためにいびつになった社員の年齢構成も正したい。それなのに、新卒も中途ももはや完全な売り手市場で、必要な人材を十分に確保することが難しい。結果、
「新卒、中途に続く第3の採用市場として、若くて、数がいて、ダイヤの原石が眠っている可能性もある第二新卒が、活気づいているんです」(鈴木さん)
第二新卒の就職を支援するブラッシュアップ・ジャパンの社長で『それでも就職したいあなたに』の著書もある秋庭洋さんによれば、ウエットマスターのように、新卒はもう採らないという企業も出現し始めている。
「内定から入社まで時間がかかるうえ、辞退のリスクまで背負わなければならない新卒採用は、いまのビジネスのスピードや考え方にあわない。第二新卒なら、来月から人を増やしたい、この秋からのプロジェクトに間に合わせたい、というニーズにも応えられます」
実際、リクルートエージェントに求職者として登録している人のうち、第二新卒は07年4月現在で6441人。一方、企業から彼らへの求人は1万4295人。求人倍率2・22は、バブル期を上回り過去最高を更新した新卒(08年3月卒業予定者)の求人倍率2・14を上回る。
採用する側としては新卒と同様に「可能性」にかけるしかない第二新卒。企業は彼らに何を期待し、彼らの何を見て、採用、不採用を決めているのか。
■納得できる理由で逆転
アエラでは、就職ランキングで人気の高い企業にアンケートを送付し、(1)第二新卒に対する採用意欲、採用予定(2)面接で採用意欲を駆り立てられた応募者(3)逆に、採用したくないと判断した応募者(4)新卒との比較で第二新卒のどこに期待するか、などについて聞いた。
リクルート「就職ブランド調査2007」と毎日コミュニケーションズ「2007年度大学生就職人気企業ランキング」を基に抽出した117社に送付。69社から得た回答を表やグラフにまとめたが、総じて言えるのは、企業がすべてのことに、「納得できる理由」を求めているということだ。
フリーターより資格試験挫折者や海外留学者、待遇に不満で辞めた人より仕事内容に違和感を抱いた「ミスマッチ」で辞めた人のほうを採用したい企業が多い。でも、「なぜフリーターになったのか」「なぜ待遇に不満だったのか」を明確に説明し、採用担当者を納得させることができれば、彼らは即座に「採用したい第二新卒」に昇格できる。
そもそも企業にとっては、一度他社を辞めた人物を採用すること自体がリスクだ。
社会全体が個人情報におおらかだった時代には、A社を辞めてB社に入ろうとする人のA社での評判を、B社の人事担当者が直接電話で尋ねるようなこともあったという。しかし、いまとなってはそれは禁じ手。面接で、自分の価値を少しでも高く見せようとする求職者たちの「化けの皮」は、面接ではがすしかない。
ソニー生命保険は、数年前から第二新卒を意識した採用を始め、現在は毎月2回、彼らだけを対象に説明会を開いて、年に20人前後を採用している。人事部人事課統括課長の田部井大作さんは、面接では「退職理由が、ソニー生命で再現され得るかどうか」の見極めを大切にしていると話す。
■単純作業はどこにでも
例えば、「単純作業ばかりやらされた。そんなことのために入社したんじゃない」という理由で退職したと説明された場合は、高い確率でNG。他の多くの企業と同様に、ソニー生命の中にも、単純作業の多い部署はある。
「上司と合わなかった」というのも多い理由の一つだが、この場合はNGの判断を下してしまう前に、合わないと感じてから辞めるまで、その上司とどう相対したのかを尋ねる。そこに面接官が共感できれば、問題は上司の側にある可能性が高いからだ。
「資産運用を極めたい」などとあまりにはっきりと「やりたいこと」を決めてくる人にも、その理由を徹底的に聞くという。以前勤めていた会社で資産運用をやっていた経験を生かしたい、が答えなら、
「せいぜい1、2年でしょう? 弊社は職種別採用をしているわけではありません。入社後は、誰にでも異動があって、資産運用にかかわれないこともありますから」
■1人90分の面接
もちろん、「何でもやります」という答えにも突っ込む。答えも、それに対する判断も様々だが、
「自分は未熟で、中途として買ってもらえる経験もない。自分のやりたいことすら、はっきりしていません。でも、保険会社のビジネスには、意味を感じている。だから、何でもやりながら、自分にできること、やりたいことを探していきたい」
のように答えた人はいま、ソニー生命で働いているという。
具体的な話が多くなる分、一人ひとりに対する面接時間は長い。ソニー生命では1時間半。06年度中の採用活動で新卒とほぼ同じ50人ほどの第二新卒を採用したローソンも、新卒の15分に対し、第二新卒の面接時間は倍の30分だ。
氷河期当時は新卒の採用を担当していたマネジャーの井上孝さんが、いまは第二新卒を含む中途採用の担当者。ローソンで働く第二新卒の中には、大学生のときにも新卒募集にエントリーしたが敗退した、という経験を持つ人もいる。
新卒という最大の就職チャンスで失敗を経験した人たちの中にも、育てがいのある人はいるというのが、井上さんの実感だ。ただ、二極化が進んでいると感じる場面も増えた。
井上さんは言う。
「第二新卒というグループの存在が広く認知されるにつれて、その身分に乗っかってしまう人が目につくようになりました」
■身分得たわけじゃない
つまり、名前が付いたことで、第二新卒という身分を得たような気分になり、自分の立場を客観視できていないのではないか――。
10月1日入社の新入社員として継続的に第二新卒を採用しているエイチ・アイ・エスでも、まったく同じ話を聞いた。
営業人事課係長代理の長島一徳さんによれば、4月1日入社の新卒と10月1日入社の第二新卒との間に、評価や仕事内容の差は一切設けていない。違うのは、第二新卒の場合、最初は契約社員だということくらい。所定のステップを踏めば正社員という含みで双方納得しているのだが、「半年後れを取ったが新卒には負けたくない」という思いを強く持つ第二新卒に期待することも多いという。
ただ、面接の場で「おかけください」と言われる前に座ってしまったり、志望理由に「いま募集してる企業を検索したら出てきたので」、入社してからやってみたいことは?という質問に「勉強不足でわかりません」と答えてしまったりする人が、少なからずいる。
■面接というより商談
社会人としてのマナーくらいは、新卒よりも「上」でなければならないはずなのに。長島さんは、
「とにかく就職活動で負け続けてきたのかもしれませんね。そういう人には、門戸は開かれているから落ち着いて、と言いたい」
と寛容だが、だからといってそんな人たちを採用しているわけではない。毎日コミュニケーションズ企画開発課長の後藤守秀さんは言う。
「第二新卒を採用する企業は増えていますが、ストライクゾーンが広がっているわけではない。1回目の失敗を大目に見てくれているだけなんです」
今年からは、たとえ短期間でも企業に正社員として勤めた経験のある人だけを「第二新卒」とし、フリーターや留学帰り、資格試験挫折者などは単なる「既卒」として区別しようという動きもある。企業にとって、第二新卒を採用する最大のメリットは「新入社員教育の一部を省ける」。これを生かせる人材だけを、第二新卒としようという流れだ。勤務経験がなければ、卒業後1年までしか応募を受け付けない企業も出てきた。
後藤さんによれば、第二新卒の採用における面接は、
「面接というよりむしろ、商談」
社会に出た経験を態度で示し、新卒とは違う自分を売り込む場だ。
配属される部署の具体名も挙がるし、給与の話にもなる。「年収300万円でいい」と答えれば、本当にそうなるし、内定を得て「行きます」と返事をした時点で契約は成立。企業は受け入れ準備を始めるから、新卒のような安易な内定辞退がルール違反だということは、常識なのだ。
最後に、管理部門に特化した人材紹介を業とする日本MSセンターが、自社で採用する第二新卒の「選考基準」の話を。人材開発室マネージャーの佐藤智彦さんによれば、ここ数年は毎年、5人前後の第二新卒を受け入れている。
会計士という目標をあきらめて入社した女性の場合、自分がなれなかった会計士をこれから目指す人の就職を支援したいというのが、日本MSセンターの門をたたいた動機だった。弁護士志望から転じた男性の場合は、司法試験のための勉強を続けるうちに、社会の弁護士に対するニーズと自分が学んでいることの間にギャップを感じた。いま、日本MSセンターで、法科大学院生たちの就職を支援する新ビジネスを企画中だ。
佐藤さんは言う。
「自分のことしか言わない人と、そうじゃない人がいることに気がつきました」
自分の話に終始することが悪いとは言わない。でも、自分のためだけにがんばったり勝負したりできる人って、どれくらいいるのか。
「自分ががんばって、周りをどうしたいか。周りを巻き込んだほうがきっとがんばれるし、そういう視点は新卒よりも第二新卒のほうが、持ちやすいですよね」
●こんな発言やこんな人にはがっかり
・現職場や転職先について、ステップアップの手段のような言い方をする人。弊社への執着が感じられない人<大手電機メーカー>
・「やりたいことが見つからなくて、就活していなかった」 そもそも、自分がやりたいと思う仕事に実際に就ける人はまれ。就業意欲が低いと感じた<レオパレス21>
・志望理由や転職理由を聞く中で、百貨店の仕事内容や販売業務よりも、福利厚生や働きやすさへの関心が強いと感じたとき<高島屋>
・「今いる会社にあきた」「なんとなく転職したい」「言われたことは何でもするからとにかく入社させて欲しい」 こんな言葉には、主体性が感じられない<大手自動車部品メーカー>
・「私が思っている仕事内容ではなかった」「自分を高められる仕事ではなかった」「もっと人のためになる仕事をしたい」 退職を自らの責任だと考えていないように感じるし、積極性も見いだせない。こういう人に期待はもちにくい<凸版印刷>
・前職を誹謗・中傷するような発言<大手金融サービス会社>
・経験談をいくら尋ねても具体的な話にならない。転職の目的が明確でないことが透けて見えてしまう<AIGエジソン生命保険>
・「自分のやりたい仕事ではなかった」 そのときそのときに自分に与えられた責任を果たせない人は、どこにいっても同じだと思うから<カネボウ化粧品>
・「条件のいいところがあれば転職したい」「御社は勝ち組だから応募した」「勤務地がよいから応募した」「ソニー製品が好きだから応募した」 決して勝ち組だと思っていないし、ソニーのイメージだけで応募しているように感じるから<ソニー生命保険>
・前職の文化・風土に強く影響されていて、変わろうとする意志がない。また当事者意識に欠ける他責な姿勢が感じられるエピソードや発言<リンクアンドモチベーション>
・3カ月しか勤務していないのに、すべての業務を習得したように話したり、自分の長所として「忍耐力」を挙げたりする<ローソン>
・上司の指示があるまで動かないなど、仕事に対して受け身であるという印象を受ける発言<AIU保険会社>
●こんな発言やこんな人にはぐっと来る
・「営業成績がよかったのに、待遇や給与に差がつかなかった」 こういう気持ちが弊社の社風に合っている。営業は「稼ぎたい」という気持ちがないと成績を伸ばせない。実際、弊社で成績を上げている営業マンには、こういうハングリーな気持ちを持っている人が多い<レオパレス21>
・「私は転職活動をしていますが、現職場をとても愛しています」 真剣に働けば働くほど、職場や仲間に対する思いが強くなるはず。転職を決意するにはいろいろ事情があったと思いますが、この発言からは、まじめに働いていたことが窺えた<大手保険会社>
・「何でもやる」「お客様のために尽くしたい」「企業理念に惹かれた」 当社のお客様への姿勢や業務内容を理解した上でこう言われると、グッとくる<ソニー生命保険>
・最初に入社した会社とのミスマッチの原因を、しっかりと分析できている<ローソン>
・自ら課題を発見し、率先して行動した具体的な例を話してくれるケース。また、金融業界以外の出身でも、自ら進んで新しい知識、スキル、経験を身につけようという意欲に満ち溢れた言葉<AIU保険会社>
・弊社の事業テーマである「モチベーション」を大切だと思った原体験をしっかり語れることは不可欠<リンクアンドモチベーション>
・「今までの会社は知名度も低く、お客様に提案する機会さえ与えられなかった」「凸版であれば貪欲に提案していける。自分の力を充分発揮できそうだ」 ハングリー精神が旺盛で、エネルギーに満ちている人だと感じたし、悔しさをこらえて頑張っていたことがわかるから<凸版印刷>
・「やっぱり自分はいつまでもお客様に近い現場で働いていたい」 管理系の仕事・業務に携わっていた人が熱く話した言葉。経験を通してたどりついた考えだということが伝わってきた<高島屋>
・何らかの仕事に取り組んだ経歴をいきいきと説明してくれる人<AIGエジソン生命保険>
●第二新卒、ここ期待します
見方
<企業名>
06年 第二新卒採用経験の有無または06年度中に採用した第二新卒の人数
07年 07年度中の第二新卒採用予定の有無または採用予定数
第二新卒は新卒とどこが違うか
*
第二新卒への期待やメッセージ
※「−」は回答なし
<アイシン精機>
06年 無
07年 無
新卒のほうが就職について、問題意識をもって活動している人が多い
*
−
<朝日新聞社>
06年 有
07年 有
大きな違いはない
*
自分の将来を見据え、やりたいことを見極めてください。好奇心旺盛で行動力のある方をお待ちしています
<エイチ・アイ・エス>
06年 47
07年 検討中
採用時期の違いにより給与等の条件面に差を設けているが、それ以外で新卒とは区別していない
*
求める要素や入社後の評価や仕事の内容も、ほとんど差はありません。「第二新卒」ということでネガティブに感じている方は、前向きにトライしてほしい
<AIGエジソン生命保険>
06年 24
07年 約30
社会人として厳しい環境のもとでの職業経験がある。本人が転職後の会社で働くイメージを持ちやすいし、会社としてもその人の「仕事力」を把握しやすい
*
仕事経験を強みにし、かといってそれにこだわらず、チャレンジ精神を発揮してほしい。新たなキャリアを切り拓くことを期待します
<AIU保険会社>
06年 10
07年 検討中
すでに基本的なビジネススキル、マナーなどは習得しており、即戦力になる
*
働くことを通じて皆さんが成長し、その結果として会社も成長する。そんなWin−Winの関係を一緒に築き上げていきたい。若い方の夢やビジョンが会社の組織風土に新しい心地よい風を吹き込む瞬間を期待しています
<大手食品メーカー>
06年 無
07年 検討中
第二新卒の売りは「経験」「基礎的スキル」。新卒の売りは「新鮮さ」「素直さ」「柔軟性」
*
大半が新卒で就職を目指す近年において第二新卒の道を選ぶ際は、中途半端な気持ちで判断したり、妥協したりせず、相当の覚悟をすることをすすめます。企業は必ず、第二新卒という道を選んだ理由を求めますから
<大手化粧品メーカー>
06年 2
07年 検討中
1度就職した経験を持ちながら、再度組織で働きたいという意向の持ち主なので、組織の中での自分の活かし方、組織に貢献するという感覚を持っている
*
会社にいた期間に関係なく、キャリアとして何か身につけていることを期待します。若い人には可能性という魅力がある。「第二新卒」というグルーピングにはまりすぎず、社会経験のある大人としてがんばってほしい
<カネボウ化粧品>
06年 有
07年 検討中
過去の自分の不足点を見つめ直し「仕事観」を確立している点。仕事をしてお金を稼ぐことに対する自覚があり、厳しさも知っている
*
就業経験を通じて、以前の自分とは違う自分を確立していると思います。その確立された中身の差が、そのまま個人差になると思います
<サントリー>
06年 有
07年 検討中
社会人経験の有無
*
それぞれの人にそれぞれの持ち味と個性がある。新しい可能性に向け、挑戦しようという気概に期待します
<シャープ>
06年 無
07年 検討中
新卒のように企業をイメージだけでとらえるのではなく、現場の状況を知っている
*
現場を経験したことで培われた、周囲とのコミュニケーション能力や協調性に期待します
<大手運輸会社>
06年 無
07年 無
思考にほぼ差異はない
*
社会人としての基礎力を養い「何のために生きるか」「何のために仕事をするのか」を自問自答しながら目標を定め、経験を重ねて、精一杯がんばってもらいたい
<ソニー>
06年 有
07年 有
−
*
求人領域の専門性を持ち、弊社とのマッチングが取れたうえで、社会人経験を活かして即戦力として活躍できる方がいれば採用します。またソニーで何かを実現したいという強い思いをお持ちであることも考慮に入れています。応募を待っています
<ソニー生命保険>
06年 21
07年 有
理想だけでなく現実を知っているところ
*
現実の社会人生活や仕事の厳しさを少しでも知っている第二新卒は、過去の経験を踏まえて地に足の着いた仕事をしてくれそう。経験を積んだ上で弊社を選んでくれたという点で、会社への忠誠心も新卒以上に期待しています
<損害保険ジャパン>
06年 4
07年 未定
「新卒」は若く、多くの経験をつむことができ、ロイヤリティーが高い。一方「第二新卒」は就業経験があるため、しっかりとした就業観を持っている
*
第二新卒には経験や知識は問いません。高いポテンシャルを期待します
<大手保険会社>
06年 約20
07年 約10
就業経験がある第二新卒は、新卒・生え抜きの刺激になる
*
短い就業経験でも、職場を愛する気持ちを持ってほしい
<大日本印刷>
06年 有
07年 有(選考基準をクリアすれば)
社会人経験や、学生では得がたい経験をしている
*
−
<大和証券グループ本社>
06年 有
07年 無
働くということに対する固定観念、社会人としてのカラーの有無
*
−
<大手医薬品メーカー>
06年 有
07年 無
社会人としての基本行動を習得できている
*
新しい仕事で充分にポテンシャルを発揮してほしい
<高島屋>
06年 4
07年 1
就職観・仕事観が明確であること。応募者にはバラつきもあるが、社会人経験で一皮むけて、明確なビジョンを持っている人を採用している
*
社会人経験、仕事を通じてどれだけ成長したか、自分の仕事観をどれだけ確立できたか。そこをクリアにした上で自分にあった仕事があれば、転職を考えるのもよいと思う
<大手建設会社>
06年 有
07年 検討中
人生経験が豊富
*
大学卒業後に得た豊富な経験を、社会や企業で活用できるよう頑張ってほしい
<大手自動車部品メーカー>
06年 10
07年 検討中
社会人経験が短いなりに、将来の目標や就業意識が明確になっている
*
進路や職場を変わろうとする際には、目的意識をもって、しっかり考えて判断してください
<大手テレビ局>
06年 無
07年 無
特になし
*
新卒に期待することと同じです
<東京海上日動火災保険>
06年 57
07年 有
一旦社会に出て働いたことで、会社選びの軸がしっかりしている
*
新卒での就職後、社会経験を経て再就職ということで、人間的に成長するとともに、多様な発想や価値観などで、周囲によい影響を与えることを期待
<東京電力>
06年 2
07年 無
特になし
*
新卒との差別化が図れるよう、これまでのキャリアを前向きに評価して、自分の強みを活かしてほしい
<大手電機メーカー>
06年 −
07年 −
働いた経験があるので、社会人としての基礎ができている。また、自分が何に向いているか理解している
*
−
<凸版印刷>
06年 20
07年 100
社会の洗礼を浴びているか。仕事が思いどおりにいかない事を身体で理解したか
*
新卒時に世間がわからないまま会社を選び、そこで社会の厳しさや自分のちっぽけさに気づいた人と、じっくりこれからの人生について語りあいたい
<大手広告会社>
06年 4
07年 未定
社会人を経験することによって得た「経験の幅」
*
業界問わず、いままで得てきた知識を活かし、いろいろな人を巻き込みながら社内・社外に新しい価値を生み出してほしい
<電通>
06年 有
07年 有
−
*
当社では「第二新卒」「新卒」の区別なく採用しています。受験資格に該当する場合、「新卒」の枠で採用試験を受けていただけます
<大手食品メーカー>
06年 無
07年 無
社会人としての作法の有無。育成のしやすさ、しにくさ
*
−
<船井総合研究所>
06年 2
07年 1
就業経験の有無
*
自分が一度は進む道を間違ったことを素直に認め、これまでの時間を取り戻すため、新卒以上に努力をしてほしい
<ウエディング関連会社>
06年 無
07年 検討中
採用していないのでお答えできないが、第二新卒というマーケットには注目している
*
中途としてのスキルは求めませんが、新卒と変わらず、真っ白な状態、素直な気持ちで入社してきてくれることを期待しています
<本田技研工業>
06年 有
07年 有
1年だろうと5年だろうと社会経験がある
*
新卒の時にも、何か求めたものや、働くことに対する思いはあったでしょう。新たなチャレンジをするのだから、スキルや考え方は確実に、新卒よりも上であるべきだと思っています
<みずほフィナンシャルグループ>
06年 有
07年 有
主にはビジネスマナーなど、社会人としての基礎になる経験をしている
*
既存概念に囚われない、新しい発想に期待しています
<三井物産>
06年 5
07年 5〜6
第二新卒は、短いとはいえ社会人経験があり、企業で働くということがどういうことか現実を理解している
*
企業イメージやブランドではなく、自分に合った会社を見つけて、自らの思いを実現しようとする姿勢に期待しています
<三菱電機>
06年 30程度
07年 検討中
弊社は、他社での勤務経験があれば「第二新卒」とみなしますが、既卒者・既卒修了者でも他社での勤務経験がなければ「新卒」としている
*
様々な人たちと協力しながら、問題を解決していく力に期待しています
<三菱UFJ信託銀行>
06年 29
07年 約30
就業経験や、資格取得のための勉強の経験があること
*
現状を打破しようとする行動力とバイタリティを、新天地となる職場において最大限発揮してほしい
<リンクアンドモチベーション>
06年 正社員3・契約5
07年 検討中
前職にて弊社以外のマネジメントを受けた経験があること
*
スタートが早い新卒入社組に早く追いつき、追い越す気概を持ってがんばってほしい
<レオパレス21>
06年 有
07年 有
就業意欲の高さ
*
弊社では、卒業後1年以内の場合のみ「第二新卒」として扱う。1年以上経過している場合は、何らかのキャリアがなければ採用しません。1年なんてすぐに過ぎてしまいますから、無駄に過ごしてはいけません
<ローソン>
06年 有
07年 検討中
社会経験がある点
*
ミスマッチは致しかたないことなので、新たなるステージで活躍してほしい
●採用状況
2006年度まで
採用している 27社
過去に採用 10
採用していない 28
把握していない/回答なし 4
2007年度
採用する 21社
採用を検討中 16
採用しない 25
未定/回答なし 7
●こんな第二新卒なら…
◆…採用したい
◇…採用したくない
*
海外留学して戻ってきた ◆17社 ◇ 4社
資格試験を目指して勉強していたが、民間企業に転じた ◆15 ◇ 2
フリーターをしていた ◆ 3 ◇17
派遣あるいは契約社員だった ◆ 7 ◇ 4
就職したが待遇に不満だった ◆ 7 ◇13
仕事内容が思っていたのと違った ◆17 ◇ 3
より希望に近い会社に入り直したい ◆22 ◇ 2
[複数回答]
●第2新卒のための面接突破の極意5カ条
(1)ウソはつかない
新卒の面接は2〜4回で、グループ面接も多い。一方、第二新卒は1〜2回で、基本的に1対1。従って、1人にかける面接時間は長く、自分をいくら飾っても矛盾をつかれて「粉飾」がばれる
(2)時系列で答えない
「大学卒業後、何をしていたのか」という問いにも、時系列なら職務経歴書を見れば済む。「営業マンとして働いていました。営業成績は中くらいでしたが、○△の工夫の結果、上位に。△○を改善すれば、さらに成績を上げられる」とプロセスを語ろう
(3)志望理由、転職理由の前に「なりたい自分」を語るべし
「将来はこうなりたい」をまず語る。その後の組み立ては、「その自分に少しでも近づくべく努力した」→「でも、現状では近づくことが難しい」→「そのために、転職したい」→「御社なら、こういう理由でなりたい自分に近づける」とすればいい
(4)転職理由は、ネガティブで始まりポジティブで終われ
ネガティブな理由を隠すと、ウソっぽくなる。「とにかく忙しすぎて、体力が持たない。もう少し時間に余裕ができれば、プレゼンのための企画を練ることもできる」のように、ネガティブで始まってポジティブで終わるのが鉄則
(5)給与はいくら欲しい?の答えは「現状維持」で
面接での発言は、契約事項。「300万円で十分です」などというと、その通りの額を提示されることがある。「いまは450万円ほどなので、それと変わらないくらいは欲しい」が無難だ
*
リクルートエージェント主催「第二新卒はじめての転職講座」での講演内容などから、AERA編集部が作成
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新卒 既卒 の違い
既卒とは、「新卒」や「第二新卒」に対する言葉で、学校を卒業後、一度も就職した経験のない人を指します。既卒の場合、転職者と同じ条件(能力や資格)を突きつけられることも少なくありませんし、学生の就職支援サイトの大手「リクナビ」への登録もできません。既卒者が就
既卒とは、「新卒」や「第二新卒」に対する言葉で、学校を卒業後、一度も就職した経験のない人を指します。既卒の場合、転職者と同じ条件(能力や資格)を突きつけられることも少なくありませんし、学生の就職支援サイトの大手「リクナビ」への登録もできません。既卒者が就
2007/07/31(火) 17:31:01 | 就職 既卒てなに
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